NPO法人 スウィングさんでのJC報告会

marumo552010-03-19

 この1ヶ月のあいだに、学生ジョブコーチによる2009年度の実践・研究報告を、それぞれ対象となった方が所属している西総合支援学校、飛鳥井ワークセンター(http://shuko-gakuen.jp/group/asukai)、そして鳴滝総合支援学校で開かせていただいてきましたが、19日は、今年度の報告の最終となるNPO法人スウィングさん(http://www.swing-npo.com/)での発表。

 応用人間科学研究科院生の山口さんと池田さんが報告しました。山口さんのものは、昨年(2009年秋)から始まった、「町屋の宿」(http://www.kyoyadoya.jp/)の清掃業務についての支援に関するもので、NPO法人スウィングの利用者の方の「施設外支援」を、企業、福祉施設、大学という3つのセクターが連携的に行う試みであったと言えます。ちなみに、右の写真は、この連携作業が京都新聞に取り上げられた記事です。

 池田さんの報告は、やはりウィングの利用者が、Yahooオークションの出品作業の仕事を企業から請け、それに対する支援を学生が行うというものです。オークションといえば、写真や商品説明の文章が落札価格の大きな決めになるものですが、それらに関してのマニュアル化が可能かといったことが主なテーマになります。

 出品する商品とオークション出品作業に必要な具体的なノウハウや表現方法、さらには作業施設についても、すでにこのブログでも何回か紹介しているキッズリサイクルショップ「ちいさくまえにならえ」( http://www.maeninarae.jp/ )の寺崎さんの全面的協力をいただきました。ちなみに学部学生の卒論の、飛鳥井ワークスセンター(http://shuko-gakuen.jp/group/asukai)での洗濯やアイロン業務に関わる学生ジョブコーチによる実践研究についても、丸ごとお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

 スウィングでの院生諸君の発表を聞きながら、学生ジョブコーチという実践における「対人援助学」的スタンスといったものを改めて考えました。学生ジョブコーチは学生がゆえにできないことも山ほどありますが(ほんとに関係各位にはお世話になります)、学生がゆえに出来ることがあるわけで、この「学生がゆえにできる/できない」ということに関して、これらのことを、「対人援助学的」な支援方法を考える上での実践的検討対象とする、というのが、このシステムの全体的なテーマとなっているわけです。
学生ジョブコーチの第一義的な作業目標は、自らの就労支援のプロセスを克明に記録し、対象となる個人それぞれに「最適な」環境設定あるいは教授設定を「表現」し、当該個人のキャリア・アップのための情報移行を可能にする、ということです。この表現には、支援内容の効果に対する客観的評価を可能にするような実践(実験)デザインの適用といったことも含まれます。そして、この「表現」に関するまでであれば、従来の応用行動分析と同じ目的と方法を用いればよいということになります。

  でも、どうもこれでは物足りないんですよね。いみじくも院生の発表を聞いていたスウィングの木ノ戸さんも、同様の印象を受けたみたいでそのようなコメントもいただきました。

 その内容についてはまた日を改めて。