免許状更新(その2)

marumo552010-08-17

 先の免許状更新ですが、全国的に受講者が昨年より多いらしいですね。昨年は民主党政権になったらどうせなくなっちゃうかも、という「予測」で様子見が多かったのが、今年になって、そうした方針もはっきりしないし、結局消極的に継続しちゃうのか、ということでおもむろに参加という先生もいたんでしょうね。
 
 さてレポートに対する全体感想です。冒頭、私が「他立的自律」という目標設定のもと、他者の援助を求める事もひとつのセルフマネジメント(自分で環境を変更していく)であり、そうした行動の獲得による行動の選択肢の拡大もキャリアアップといった内容を申しました。初頭効果のせいか、けっこう多くの先生が「今まで、『できた人は他の人に教えなさい』と指導してきたけど、わからない時はもっと『教えてください』という要求をするように指導します」といった内容をお書きになっています。もちろん教示(教授)要求というのも大切ですが、第二講のサトウ先生の講義の中でのサービス・ラーニングといった言葉にも表されるように、仲間に『教える』ということ、そのために援助設定を整えることも非常に大切だと思います。もちろん、「教えて」と要求する行為は、「教える」という他の生徒や先生の対応によって始めて成立するわけですから、表裏一体の問題ではあるんですけど。

 免許状更新というこの「イベント」は、これをとらないと失職(!?)という、そのように表現すると、いかにも「負の強化」の世界ですけど、大学も科目も一定に選択し、しかもそれを自腹で「買う」という、先生方の研修の中では、けっこう希な仕組みです。選択肢の提供に対してそれを有償で購う、という関係は、そこだけとれば、ある意味、非常にフェアな交換関係とも言えます。その分、大学側も、自らの特色や新たな展望を、「官」より先に(「官」とは異なる)、先生方に提示し、妥当性を一緒に考えるチャンスである、と考えれば、捨てたもんじゃないかも知れません。
 今回、われわれも新しい展望を新しいグループで提示できたわけで、FDにもなりました。