NAVI復刊(ひまねた)

 本屋で見つけました。車雑誌のNAVIがまた隔月ですけど発刊されました。当誌は、1984年から2010年まで、カーグラフィックと並んで、独自の路線で「車のある生活」というより、「車もある現代思想」みたいな雑誌で愛読誌のひとつだったものです。田中康夫氏や浅田顕氏などなど、当時の錚々たる(若手?)「言論人」や、今は亡きナベゾ氏のとか、がひしめきあってる雑誌でした。多くの人が言ってますけど、今から思うと奇跡の雑誌でしたね。
 この雑誌からずいぶん勉強した、というか、発想をぱくって研究に反映させたものです。当方、愛知県コロニーの研究所にいた頃で、読むだけではなく、笠井潔氏の「アナルコ・キャピタリスト宣言」(後に「国家民営化論」として公刊された)から、「自己決定」の実験に際して「公正交換指標」(当方の造語)といった「商いの持つ公平性(?)」もしくは「お金」というものの持つ社会的機能を、ヒューマンサービス(対人援助)のありかたとして「実証的に」示そうなどということもしてました。
 あまつさえ、20年くらい前になりますか。愛知県コロニー主催で「日本行動分析学会」をやったときに、NAVI編集部を通して、笠井氏を公開講演に御願いしたんですけど、あえなく氏の体調不良で来てもらえませんでした。かわりに参加者全員に氏の署名入りの「国家民営化論」を後で送付という、だいそれた始末をしました。笠井先生ごめんなさい。本当にご苦労さまでした。今、思えば、うさんくさい(?)学会に、充分な打ち合わせもなくお呼びしちゃって、そうでなくてもはるばる長野から出張するのって、さぞかし気が重かったと思います。(この話は前にもブログでしたな。)

 というわけで、「応用行動分析学」の授業で、最後のほうで、「全日空は病んでいる」(田中康夫著)と「国家民営化論」(笠井潔著)が参考文献にあがっているのは、そもそもはNAVIが由来です。

 復刊なったNAVIですが、うーーん。11月の2号も買わずにはいられない、とは思いますが、「車離れ」した若い人向けに新たな切り口を、というわけでもなく、もう一度、かつてのボリュームゾーン団塊に「エンスーのノリを今一度」というには・・・・、と、なかなかご苦労されているみたいです(ああ、高齢者の「上から目線」に・・・・)。