接客行動

marumo552011-02-06

 カフェリッツを使った「接客業務」を含んだ実習を、来週また行います。今度はデリバリーありです。
接客業において、何が優先事項なのか。ひとしきり議論となりました。新しいお客さんが来店した場合には、いま行っている業務を中断してでも「いらっしゃい」と言うべきなのか、あるいは熱いコーヒーをサーブしているときなどには、それが最後まですんでから「いらっしゃい」と言うべきか。ひとつひとつ場合わけして学習しなければいけないのか、何か上位の「機能」を学習するといったかたちが可能なのか。


 ちょっと前、北のほうのショッピングモールで、閉店間際に車で行って、本を買って、そのレシートを別のサービスカウンターで見せて、駐車券に1時間無料の印鑑をもらわなきゃという場面がありました。書店コーナーから目と鼻の先くらいの電化製品売り場に、駐車の印鑑を押してくれるサービスカウンターがあるのですが、その数メートルのあいだにレシートなくした(くそ)。 サービスコーナーに居た人に、「あれ、たったの今、そこの書店でこの本(本の入った袋を見せながら)買ったんですけど、レシートがどっかいちゃったんです」
店員「レシートをもらい忘れたんじゃないですか」
ぼく「お、そうかも」ってんで、何せ目と鼻の先なので、その場から本屋さんにむけて「すんませーん。ぼくレシートもらい忘れてませんかああ?」って叫んだら、「確かにお渡ししましたよー」との返事。
ぼく「というわけで、あちらの店員さんも言っているように、確かにたった今、あそこで今この本買ったんだから、駐車印押してちょうだいよお。もう閉店の時間なんだしいい」
店員「レシートがないからダメです。規則ですから」
ぼく「とほほ。そうですね、無くしたぼくのミスです。はい」って、悪法にも従うタイプなんでギブアップ。


 なにせ閉店間際なんで、あわてていたこともあり、速攻でエレベータ捕まえて1Fに下がってたら、もそもそとポケットからレシート発見。無事、1回のカンターで駐車印を押してもらえました。


 先ほどの、レシートがなければ印鑑を断固押さないという店員さんの行動は、どんな風な優先順位で接客業務してんだろ。ここで閉店間際で一刻も早く店を離れたい客に、印鑑を押してしまうと、あなた、あるいはお店はなにか損失を被ることがあるのか、はたまた押してしまうと私が不当な利益をえることがあるのか。


 てなことを考えれば。「こんな状況だからサービスで押しときますねえ」くらい提案すべきではないか。ぼくを顧客としたまた来店させる意志があるのであれば。うらを返せば、それは一見さんだけの観光客からおいはぎをする悪しき京都商法のひとつのかたちか?

 某電化製品の量販店でも似たような話を聞きました、はやり閉店間際に、商談がほとんどまとまり契約や明日ね(に近い)状況であるのに「本日はお買い物をしてないので駐車券は出せません」ときたんだったんだってさ。さんざ交渉して説明を受けて明日は購買というところまできてんのに、その仕打ち、ちょっと信じられないよね。ひとりひとりのお客の駐車場使用に関して、どんな負担を店子が負担する仕組みになってるか知りませんが、どう考えたって、そこで顧客となる可能性のある買い手の再来店行動を弱化すること必定。案の定、その人は「二度と行くか、Yカメラ」ということ。


        ばかだよね。

 一方、よくいく某デパートの中の某服飾メーカー(BB)のお店では、「サイズが結局ないよおお」とかいう事態でも、単にひやかしのみで終わってしまった場合でも、帰りしな「あれ? 駐車場って、どっち行けばいんだっけ」とかいえば、行き先を丁寧に教えてくれるだけなく「あ、駐車券押しときましょうか」てなことをいつも言ってくれます。
 
 稲森氏が先頭にたって再建(生)中のJALの社員一同による意識改革の試みについてのドキュメントをテレビでみました(ガイヤの夜明けかな)。ともかく、今、JALを利用してくれる客に、また再び利用してもらうにはどうしたら、というミッションのもと、コストや赤字といった経営上のロジックなどまったく興味がなかったと言っていたベテランパイロットも、離陸の際の「こちら本日の操縦を担当する●●です・・」のスピーチに、これまでなかったようなJAL再建に向けての意気込みと決意を盛り込んだ話を一生賢明伝えていました。そしてそれを聞いた客が、アンケートに「機長のスピーチ感動したよ、また乗るよ」とフィードバックをした事実、そして後にその感動のアンケート用紙を、泣きながらパイロットに伝える担当の社員。

 何を優先して、接客業務は行われるべきなんでしょうねえ。