携帯メイル

 携帯メイルでどのような内容を送るか、という質問を「バリフリ心」のコミュペに書いてもらいました。
 約10年前の調査結果も紹介しましたが、やはり時代は変わったんですねえ。例えば、「以前は雑談が多かったのですが、TwitterやLineなどのアプリを使用するようになってからは、メールの雑談は少なくなりました。メールを使用するのは重要性の高い場合に移行しているように思います。おそらくTwitterなどに比べて、保存性が高いからだと考えられます。・・・・・・」
 なるほど。昔は、「大事なことはメイルでしてはいかん」という回答が(特に年長者に)多かったけど、いま、若い人のあいだでは、Twetterの登場でメイルの相対的重さは上がってるんですね。

具体的随伴性

 応用行動分析のコミュペより。
「母がパートでレジをするスーパーでは、元々、ふつうに代金を支払ってもらい、そのあとに袋のある人にはあげる分のお金を渡していたらしい。それでは2回会計するのでレジがこむから「支払いの代金 ー あげる分のお金」を払ってもらって1回で済むように改善した。しかし、お客さんは『得した気分がなくなった』と苦情を言って、袋を持ってくる率がへったと聞いて、随伴性の具体的さは大事なのだなと思っった。」

 典型的事例ですね。座布団1枚。

研究入門・応用・バリフリ

 本日の研究入門では恒例(?)の「ミニ心理学史」(パブロフからて望月昭まで)のプレゼンテーション。
 5つの班ごとに発表してもらいましたが、5とおりの歴史物語があって面白い。
あらかじめ数名の「学者」を挙げて「理論」の変遷をたどる(物語を創る)という乱暴な課題です。パブロフからスキナー経由でバンデュ−ラ、という経路で表現した班が多かったですね。ま、確かに時代順。そして望月昭は分類すればバンデューラの系譜という発表者もいましたね。ま、確かにHPとかみるとそう思うかも知れません。

 スキナーの流れと、バンデューラとの関わり(社会的学習)については、
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/hyouron1978.pdf
 という、受講者のみなさんが生まれる前の論文もありますので、興味のある人はDLしてください。


 応用行動分析とバリアフリーの資料、それぞれ「その5」をWEBCTにUpしてますけど、来週は、まだその前のレジュメ(その4あたり)からですね。応用の授業資料倉庫には、第5回で引用する太田ら(2006)のPDFも入ってます。まだ先ですけど。

 バリフリ心に関して、携帯電話の話に入りかかってますが、前回、「 i-phoneにしてから誤発信が多いとか、視覚障害の人にもむずかしいんじゃないか」、などと、個人的怨念でしゃべってしまいましたが、実は、i-phoneのほうが使い勝手がよい(専用アプリもある)という話を、あとで散々聞かされました。自分が時代おくれになっただけでした。とほほ。

応用行動分析その4コミュペ

 この日記は23日に書いてます。昨日の応用行動分析のコミュペですが、みなさん、それぞれに「匂いスイッチ」(匂い刺激は再生しにくいので、条件性レスポンデント反応の消去はむずかしい)があるようですね。金木犀の匂い(複数)、エレベーターの匂い、などなど。
 先週の金曜日の「探偵ナイトスクープ」でもやっていたそうです。「・・亡くなった母の香水の空ビンの匂いを匂う(原文ママ)だけで、遠い昔の母との記憶がよみがえるので、匂いがなくなる前に何か(注;なんという製品か)知りたいというものです。苦労の末、25年前の種類の香水が見つかり、依頼者の頭に母の記憶がめぐり、泣いて終わるという結果でした。・・・・」
 まさに「匂いスイッチ」の話ですね。


 確立操作の解説がさっぱりわからん、という人も目立ちました。すいません。何十回も話をしてるのに、自分でも混乱することがあります。授業中に、実例を挙げて、「応用的に」必要な確立操作の紹介をする予定です。(忘れてたら指摘してください)。

応用行動分析・バリアフリーその4

 受講者のみなさま。応用行動分析学(その4)のレジュメはだいぶ前からCTに挙げています。バリアフリー(その4)も、おそくなりましたが本日アップ。
 今年は授業で紹介する主要論文も期間限定でCTにおいておきますので、詳しく内容を知りたい人は各自DLしてください。

 先週の金曜日に、夏休み最後の時期におこなった、CAFE RITSの「就労実習」の報告会をX総合支援学校で、N先生が報告。今回の実習では、途中で多くの学校の先生や親御さんも参加していただきました。また、今回はベテラン院生や学生の諸君には、店員以下、バックアップに入ってもらい、直接支援(JC役)にはもっぱらN先生にあたってもらいました。N先生も、ベストなバックアップ体制で臨んでくれた院生・学生諸君、ごくろうさまでした。X学校とのつなぎをやってもらったTさんもご苦労さま。

 学生ジョブコーチの実践も、始めてからかれこれ10年になろうとしています。スタート当初の、課題分析表にもとづく全課題提示法による当該タスク達成で終わり、という作業から、自発的な業務関与(コミット)行動のカイゼン(=セルフマネジメント)を、どのように導くか、という方向に、だいぶ内容も変わってきました。また当該タスクのスキル獲得だけではなく、どうやって「次」につなげる表現ができるか、という、機能的連携のための「情報」の共有と蓄積のための方法論の検討が研究の軸となりました。これが行動分析学から対人援助学への展開?とか考えることもありましたが、実は、これこそほかならぬ応用行動分析学か?
 

 長らく閉店していた、西大路のイタリアン「ポルコロッソ」が再開しました。よかった。
 
 

NAVI復刊(ひまねた)

 本屋で見つけました。車雑誌のNAVIがまた隔月ですけど発刊されました。当誌は、1984年から2010年まで、カーグラフィックと並んで、独自の路線で「車のある生活」というより、「車もある現代思想」みたいな雑誌で愛読誌のひとつだったものです。田中康夫氏や浅田顕氏などなど、当時の錚々たる(若手?)「言論人」や、今は亡きナベゾ氏のとか、がひしめきあってる雑誌でした。多くの人が言ってますけど、今から思うと奇跡の雑誌でしたね。
 この雑誌からずいぶん勉強した、というか、発想をぱくって研究に反映させたものです。当方、愛知県コロニーの研究所にいた頃で、読むだけではなく、笠井潔氏の「アナルコ・キャピタリスト宣言」(後に「国家民営化論」として公刊された)から、「自己決定」の実験に際して「公正交換指標」(当方の造語)といった「商いの持つ公平性(?)」もしくは「お金」というものの持つ社会的機能を、ヒューマンサービス(対人援助)のありかたとして「実証的に」示そうなどということもしてました。
 あまつさえ、20年くらい前になりますか。愛知県コロニー主催で「日本行動分析学会」をやったときに、NAVI編集部を通して、笠井氏を公開講演に御願いしたんですけど、あえなく氏の体調不良で来てもらえませんでした。かわりに参加者全員に氏の署名入りの「国家民営化論」を後で送付という、だいそれた始末をしました。笠井先生ごめんなさい。本当にご苦労さまでした。今、思えば、うさんくさい(?)学会に、充分な打ち合わせもなくお呼びしちゃって、そうでなくてもはるばる長野から出張するのって、さぞかし気が重かったと思います。(この話は前にもブログでしたな。)

 というわけで、「応用行動分析学」の授業で、最後のほうで、「全日空は病んでいる」(田中康夫著)と「国家民営化論」(笠井潔著)が参考文献にあがっているのは、そもそもはNAVIが由来です。

 復刊なったNAVIですが、うーーん。11月の2号も買わずにはいられない、とは思いますが、「車離れ」した若い人向けに新たな切り口を、というわけでもなく、もう一度、かつてのボリュームゾーン団塊に「エンスーのノリを今一度」というには・・・・、と、なかなかご苦労されているみたいです(ああ、高齢者の「上から目線」に・・・・)。

バリアフリーのための・・・

 「バリアフリーのための心理学」のコミュペ読ませてもらいました。
関連話題で「パラリンピック」について何人かの人が書いていました。「オリンピックの報道に較べてマスコミの扱いが小さい」という意見がありました。このことは色々なマスコミでも言われています。金メダル(世界一)とったのになんで一面に載せないのだ、とか。あるいは(これは私の資料にもありますが)「これほどまでに個人の『障害』(いわゆるimpairmentとしての)を厳密に表現することで成り立つ状況への感慨」とか。
 今年は、最初から、バリアフリーとは、「人の手を借りなくても自立できる環境の実現」ということでは「ない」(んじゃないか)という文脈をいつも念頭におきたいと思います。
 WEB-CTに関連論文(「人を援助することに関する倫理」by B.F.Skinner)をアップしました。