「発達障害のある生徒の青年期問題への支援」シンポ

marumo552009-10-14

 愛知県立衣台高等学校は文科省「高等学校における発達障害支援モデル校」の指定をうけ、この問題について取り組まれてきています。14日は、豊田市民文化会館で、一般公開で表記のようなシンポジウムが開かれました。

 行動分析学会の奥田先生(桜花学園大学)も参加しているこのプロジェクト、あまり系統的・組織的研究の少ない、高等部における発達障害のある生徒への取り組みとして大変重要なものと思われます。
 
 わたくしの古巣でもある愛知県でこのような試みを行われていることは大変誇らしいことでもあり、基調講演もお引き受けしたわけですけど、まだ普通高校での特別支援の枠組みでの発達障害の取り組みについては当方もオリジナル資料がないので、ここで申し上げられたことは、
 1)特別「支援」の、「支援」のありかたとは地域セクター全体の支援を念頭におくことが、とりわけ高等学校の場合、進学・就職いずれにせよ大切であろうこと。
 2)これまでの当方の持つADHDの生徒さんなどの特別支援の実践的研究(金山モデル)などに含まれる「援助」の基本ロジック
  ・反応形態の差異を認めること
  ・まず行動完成基準の(一次緩和)
  ・当事者の選択の要素
を紹介し、いくつかの事例(小学生の例で恐縮でした。)を紹介し、
 3)不可欠な連携作業において「情報移行」の方法とマネジメントを本気で改善する必要があること
 4)学生ジョブコーチの実践の中で、高等部の生徒さんを支援する中で示された問題、企業が求めているものと、学校が提出する情報のギャップ
といったことについてお話ししました。

 こうして「連携」の話をするにつけ、個別の教育(支援)計画というものを、さらにより効果的なものとしていくための算段、ときには学校間のあいだでも生じる、支援セクター間での利益相反の可能性など、いま共通の課題として、みなで取り組まなければならない問題が、フロアの親御さんからの質問からも感じられました。
 そのとき、痛感したことですが、支援団体の利益相反とかといった問題、これはいわゆる「縦割り行政」などとよく言われている問題とともに、いったんは、ともかく当事者側にたった改善というかたちで検討することが、いまさらながら、なによりも大切ですね。それをどう作業工程化していくか、具体的議論を進めるなくてはならないと思います。
 
 対人援助学会でもシンポジウムでその問題をとりあげますが、愛知県お衣台高等学校のこの試みも、今後も継続して、愛知県がひとつのモデルとして全国に発信していただければ、と思います。あ、ポスターセッションしませんか? 奥田先生、よろしくお願いします。
 
 シンポジウムでは奥田先生と、わたくしのコロニー時代にはお隣施設だった春日台養護学校の教頭先生の椎葉林蔵先生も、心強い発言をされていました。
 
 関係のみなさま、是非、ここからさらなる発展を期待しています。愛知県の協力もぜひお願いします(うちの家族3人は愛知県民ですし)。